今日、新聞記者の方に取材を受けました。
今までの仕事で取材することはあっても、
この活動を始めてからは、取材されることが少しずつ増えてきました。
ありがとうございます。
長いですが、以下は率直な思いと葛藤です。
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まず、「キャリア教育」=「職業教育」じゃない、ということです。
キャリア教育の中に、職業教育も含まれる、ということと
礼儀や挨拶、心や身体について、国語も算数も道徳もすべて、
自立した大人になるための教育、生きるために必要な教育すべてがキャリア教育、
ということをお伝えしたいです。
キャリア教育コーディネーターの勉強の中でそこは強く叩き込まれました。
キャリア教育の定義は
「一人一人の社会的・職業的自立に向け,必要な基盤となる能力や態度を育てることを通して,キャリア発達を促す教育」です。
文部科学省の「キャリア教育とは何か」リンク
そして、取材でよく聞かれることについて
「なぜこの活動を始めたのか?」と
「子どもたちに何を伝えたいのか?」
です。
いわゆる
「きっかけ」と「ミッション」ですね。
きっかけは、
自分自身が夢を叶えるべく上京して
なかなか叶わない中で紆余曲折してがむしゃらに頑張った結果叶ったこと
その時に感じたこと見たことを子どもたちに伝えたいという思い
もっと掘り下げると、
狭い世界でいろいろ悩んでいた「小学校や中学の頃の自分に教えてあげたかった!」
という過去の自分への思いと
「自分の娘に広い視野を持って自分らしく楽しく生きていってほしい」という願いがあります。
そして、ミッションは
「大人(よのなか)と子どもを繋ぎたい」
=
「子どもたちがいろいろな大人と出会うお手伝いをして
自分だけの憧れの大人を見つけてもらうことで
子どもたちの生きる力を育みたい。
憧れはモチベーションだから!」
ということです。
で、今日記者さんと話していて・・・
この活動は名前も「憧れの大人プロジェクト」だし
キラキラしたものに映っているな、と。
そうじゃない!!と。
私はキラキラしたものを伝えたいわけじゃない。
むしろそれはキャリア教育の弊害だ、とお伝えしました。
メディアやキッザニアの影響で
はたまた入社前のイメージや説明会で
その職業の良いところしか伝えてないことが多いです。
だから若者は「こんなはずじゃなかった」「これは俺の、私の仕事じゃない」
と言って辞めてしまうのでは?とも思うのです。
(それがすべてじゃないけど。本当にブラックもあればその仕事の意味を理解してない場合や耐性が足りない場合もある)
どんな仕事にも、育児にも、プロ野球選手にも
「ハレ」と「ケ」の部分がある。
その「ハレ」のところだけを伝えるつもりは一切ない、と。
だから、主催している「わくわくワーク」では
事業者さんに「子どもたちをもてなさないでください」「まずは掃除からやらせてください」「ハレとケどちらも体験させてください」
「カッコいいところを見せようとしないで一生懸命でいてください」と。
とお願いしています。
親御さんや子どもに嫌われるかもしれませんがそれでも良いので厳しさも伝えたいと思っています。
サッカー選手や野球選手がいいプレーが出来るのは毎日走り込みをしているから、
アナウンサーが華やかにしゃべれるのは毎日訓練や取材をしているから
キッザニアで、もてなされて、消防の恰好をして放水体験しても、それを写真とって
「将来は消防士さんだね」と言ってもてはやされても
職業になったら毎日体力づくりばかりでつまらないと言ってしまうのではないか?と。
そこがキャリア教育の、特に私がやっている職業体験イベントの弊害になりうるのです。
そこをはき違えてしまうと、ますますそういう若者が増えてしまうのではないかと思うし
楽しさはもちろん、厳しさや現実を伝えないとならないと思っています。
それを知ったから「じゃあやーめた!」と言って他を体験しても同じことが待っているよ、と。
小学6年生向けの授業で
「やりたいことの中にはやりたくないことも入ってる」「楽しいことは楽じゃない」とも伝えています。
もちろん、不得手なことをずっとやるのは非効率なので
得意で好きなことを仕事にすれば、それが苦手な人にとって助かるので、世の中成り立っています。
でも、技術だけじゃなくて、書類を書くことも必要だったり計算も必要だったりします。
それをやらなくちゃいけない時もある。やらなくていいくらい大物になれば話は別だけど^^;
そして、
「夢はあってもなくてもいい」「変わってもいいし見つからなくてもいい」
と伝えたことを突っ込まれました。
それはどういうことか?と。
「今を一生懸命生きていればどうにかなる」(前の部分重要)
とお答えしたら
「それは若者や大人向けにはわかるけど、子供向けには?」
と聞かれ
「焦らなくていいよ」かな?と。答えが出ました。
小学生からの感想で「ゆっくり夢を探していいと言われたようで安心しました」と書いた子がいて
伝わったかな、良かったなと思ったことがあります。
とかく、この活動は「早くなりたい職業を決めよう」
とでも言っているように思われがちですが、違います。
いろいろ並べているのは、
こんなに身近な自分の街にいろいろな仕事があるということ、いろいろな大人がいるということを
まずは知ってほしい、
よのなかを知ってほしいということです。
例えば、
私は小学生の頃、軽いイジメにあっていました。いとこには結構重いイジメもされました。
子どもにとってはその世界(クラスや家族親せき)が全てで、そこに居場所がないと
もう死んでしまいたいくらい辛いこともあります。
でも、よのなかはとても広いし、努力すれば、というか自分次第で、自分の居場所はある。
そんなことにも繋がったらいいなと思っています。
いま、こうしたお仕事体験イベントは
流行もあってか「いいねいいね」と言われますが
キラキラしたところだけを伝えることはしません。ごめんね・・・
ゆくゆく力になってくれることを信じて
ポスター作りもしてもらうし、お友達同士の参加や親御さんが観に来ることもNGにしています。
今日は、記者の方のお蔭で
私の葛藤を披露することが出来ました。
親子説明会では、そうした厳しいこともお伝えすると思います。
偉そうに聞こえるかもしれないけれど、嫌われるかもしれないけれど
その方針は変えません。
心身強い大人に、やるべきことができる大人に 自分を楽しめる大人になってほしい
です。
「世の中甘くない」とは伝えたいことがまた違う、「すべて自分次第!」ということかな。
そう言ってる自分がまだまだ葛藤中です!^^;
以上、葛藤をお伝えしました。